元学習塾スタッフが明かす、塾の正しいえらび方を紹介。個別指導と集団指導の違いやメリット・デメリットなど、現場目線での選び方を指南します。

中3編

中3の夏休みは、高校入試対策で、最も大切な時期ということができます。

塾の夏期講習会のキャッチコピーに、「基礎固めの、最後のチャンス」というフレーズを見かけます。

もちろん、勉強は、高校入試で終わりではないので、基礎学力をつけようと決意するのは、いつの時点でも、とても有意義なことです。ただ、高校入試のために成績を上げる、ということに限って考えると、中3の夏を迎えたら、基礎固めのチャンスをとらえるには、もはや一刻の猶予もありません。

もし、「計算問題を間違ったとき、なぜ答えが合わないかわからない」「簡単な文章題の式が立てられない」「英語の文法の復習を、どうしたらいいかわからない」という悩みを抱えているときは、早めに、個別指導塾の活用を考えてみるのがおススメです。

個別指導塾、と一口にいっても、基礎力の強化が必要なお子さんのためには、どんな教室が効果的でしょうか。

まず、生徒も、保護者の方も、教室長と、スムーズにコミュニケーションをとれる雰囲気があることは、とても大切です。宿題の量やレベル、学習の進め方など、お子さんの必要に合わせていくためには、塾と生徒、塾と家庭の、コミュニケーションが欠かせません。

また、お子さんが、「ここでならがんばれる」と思える教室を選ぶことです。塾を見学に行くときは、お子さんと一緒に行き、見学が終わった後には、お子さんの率直な感想を聞いてみることも大切ですね。できるだけ、たくさんのスタッフ、たくさんの生徒が塾に来ている時間を選んで見学すると、教室全体の様子がわかります。

教室長や、講師との良い関係が築かれて、やる気が刺激され、まわりをあっと驚かせるほど力をつける生徒が、たくさんいます。必要ならいくつかの教室を見学し、塾を効果的に活用したいものですね。

塾に通った経験のある保護者の方の中には、塾で出された、山のような宿題のことを思い出す方も、たくさんいらっしゃることでしょう。

実際、塾の夏期講習会のテキスト、出される宿題は、完ぺきにこなそうとすると、とてもついていけないだけのボリュームがあることがほとんどです。

学校でも、高校入試を考慮に入れたかなりの量の宿題が出されていることが多いため、学校の宿題と塾の勉強との間で、力をバランスよく配分することが必要になります。自分にとって、体や心にダメージを受けずにできる、現実的、かつもっとも効果的な勉強の仕方を見きわめる、ということは、入試で良い点数を取るよりも、将来はるかに役立つ財産になるに違いありません。

集団指導塾では、一人一人の宿題のチェックをきめ細かく行う、ということはあまりないので、自分で、宿題をしっかり管理していくことが必要です。やりすぎると、つぶれてしまいますが、叱られないのをいいことに宿題を投げ出していると、塾の授業内容がほとんど身に付かないまま、夏休みが終わってしまうこともあります。

一方、個別指導塾では、講師が宿題を毎回チェックするのが普通です。宿題をきちんとするための、励ましも与えられます。いつも宿題を忘れていると、かなり叱られるケースもあります。

特に個別指導塾を選ぶときには、教材や、宿題の量がどのくらいかに注目するのは大切なことです。また、塾に入ってから、一生懸命やっていても宿題をこなすことのできない状況があるときは、講師や教室長に相談することが大切です。できれば、生徒が自分で状況を説明し、一番効果的な方法を探っていくことができれば、ベストですね。

 

個別指導塾では、夏期講習会で、何度も「小テスト」が行われることがあります。

以前に勤めていた塾にも、漢字や文法、英単語、基本計算のなどの小テストが用意されていました。

夏休みは学校の宿題もあり、夏期講習のテキストの宿題もあるので、まじめに取り組むと、かなりの勉強量になります。加えて小テストもすべて完ぺきにこなそうとすると、「もうついていけない!」という気持ちになってしまうかもしれませんね。

すべての小テストを満点でクリアーできないとしても、ぜひ、フル活用してほしい、と思う小テストが、いくつかあります。その一つが、英語の「不規則動詞」のテストです。

中学で習う不規則動詞は、多くても100個以内におさまります。高校入試に欠かせない文法の知識ですので、夏休みに、完全にマスターしておくことがおススメです。

不規則動詞の小テストは、がんばってぜひ100点をとりましょう!

もし、小テストがない教室でも、塾で使われる中3のテキストには、必ずと言っていいほど、不規則動詞の一覧表が載せられています(もちろん、学校の英語の教科書にも、あります)

中学校の範囲の不規則動詞を完全にマスターしていれば、高校に行ってからも、不規則動詞の面ではほとんど苦労しないですみます。どんな方法であれ、夏休みのうちに、しっかり自分のものにしておきましょう。

 

国語は、何日か塾の講習を受けたことで、飛躍的な成績アップが期待できる教科ではありません。

では、塾で、しかも、中3の夏期講習会で、国語の授業を選択することに、メリットがあるのでしょうか?

古文の文法と、詩や短歌、俳句に多くみられる修辞法などを整理しておくことには、確かにメリットがあるといえます。

以前の塾では、教室長が、「体言止め」「対句」などの表現技法、古文の歴史的仮名づかい(「てふてふ」と書いて「ちょうちょう」と読む、など)の小テストを用意していました。高校入試では、修辞法や古文の簡単な文法に関する問題が、配点は小さくても必ず出題されます。マスターしておくと、大変効果的です。

個別指導塾では、1コマ単位で授業のプログラムを組むことが可能です。大半のコマを英語や数学、理科などにあてるとしても、1コマか2コマを国語にあてて、文法事項のまとめをしてもらうよう教室長に話してみることができるかもしれません。

ただ、よく工夫された国語の小テストや自習用のプリントが用意されているならば、授業として国語を選択しなくても、十分な場合もあります。

日ごろから新聞の社説など、少しかたい文章を読むトレーニングをすることに加えて、文法や修辞法のまとめをしておくと、自信につながりますね。

 

 

 

 

数学の夏期講習会のテキストはたいてい、はじめに計算問題、次に文章題、最後に図形、の順になっています。

計算の単元のときは、生徒も講師も元気いっぱいなのに、ひとたび文章題にさしかかると、急にテンションが下がってしまう、ということが、よくありますね。

でも実は、塾のテキストを使えば、文章題をとても効果的に学習することができます。

「何が出てくるか予想がつかない」と思っていると、文章題と聞いただけで気持ちがひけてしまいます。でも本当は、文章題にはパターンがあるのです。塾のテキストのほとんどは、文章題をジャンルごとに分類しています。

たとえば、「80円のリンゴを3個と、100円のグレープフルーツを何個か買い、50円の箱に入れると、790円になりました。グレープフルーツの個数を求めなさい」というような問題は、「個数・代金」というジャンルです。

文章題のジャンルには、「個数・代金」のほかに、「過不足」「速さ」「面積」「割合」などがあります。

すべての文章題のパターンを一度にマスターするのは、ハードルが高いと感じるかもしれません。でも、「このジャンルは自信がある!」という分野を1つでももつことができるなら、大きな力になります。

「個数・代金」と「過不足」は、それまでほとんど自分で式を立てられなかった人でも、比較的簡単にマスターすることができます。塾の夏期講習会で、いくつかの文章題のパターンに強くなれたら、本当に大きな収穫ですね!

塾のテキストは、文章題をジャンルごとに分類しているのが普通です。塾のテキストを使えば、パターンをつかみ、落ち着いて文章題に当たるための力をつけることができます。

さらに、塾のテキストには、学力テストや入試に出るにもかかわらず、学校であまり扱われないタイプの問題も取り上げられています。たとえば「整数」「歯車」「池」「年齢」「カレンダー」などの問題があります。

「カレンダー」の問題とは、「ある年の1月1日は日曜日でした。157日後は何曜日ですか」といった問題です。はじめて見ると、びっくりして途方に暮れてしまう人がたくさんいます。

でも、1週間は7日であることを使った短い式があり、一度マスターすると、それほど難しくなく使えます。

「池」の問題はもう少し複雑ですが、やはりパターンがあり、慣れれば大丈夫です。

実戦形式のテストでこうしたジャンルの問題が出たとき、一度経験しているかどうかで、落ち着きが全く違います。

さらに、個別指導塾では特に、うまく式が立てられない時の対処法も学ぶことができます。

たとえばカレンダーの問題では、式ができないことを長時間悩むよりも、日にちの分だけテキストの余白やノートに実際にカレンダーを書いて、曜日をさぐりだすほうが効果的です。

また、手がつかないな、と思う問題はいさぎよく捨てて、ほかの問題に注意を集中するという、気持ちの切り替えも大切です。

文章題が完ぺきにマスターできたら、どんなにすごいことでしょう!

でも、まず、文章題でも落ち着いて自分のベストを発揮できるようになれば、かなりの進歩ということができますね。

 

塾で使われる英語のテキストは、文法のまとめに最適です。

さらに、一工夫すると、もっと大きな効果を得ることができます。

ぜひともおススメなのは、塾のテキストをもとにした、オリジナル強化ノートを作ることです。

強化ノートの作り方にはいろいろありますが、一つの方法は、自分にとって覚えにくい英文だけをピックアップしていくことです。

塾のテキストの多くは、問題の横に、チェックボックスが付いています。

正解できた問題にチェックを入れるか、もしくは、間違った問題にチェックしておきます。

最初にトライして正解できなくても、2回目に正解できれば、それほど心配ありません。

でも、だれにでも、「またまちがった!」「これはいつもわからない」というパターンの文があるものです。

夏期講習会のテキストなどから、特に間違いやすい英文だけを、ノートに抜き出してみることができます。

たとえば、ノートの1ページを半分に分け、右側に英文、左側に日本語訳を書いておき、片方をかくして、何度も練習できるようにします。単語や熟語なら、「暗記セット」のペンを使ってノートを作れば、オリジナル暗記ノートの完成ですね!

(「暗記セット」はたいてい、赤や緑のシートと、専用ペンがセットになっています。専用ペンで書いた字の上にシートをかぶせると、字が見えなくなる、便利な道具です。)

 

塾の英語のテキストから、自分だけのオリジナル強化ノートを作ると、実力アップに役立ちます。

一つの方法は、自分の苦手な英文や単語、熟語だけをピックアップしたノートを作ることです。

別の方法は、塾のテキストのあちこちのページから空所補充の問題を抜き出して、ランダムに並べた「オリジナル問題」を作ることです。

この方法は、「塾のテキストならかなり正解できるのに、実際のテストになると混乱して点が取れない」という人におススメです。

実戦形式の問題は、さまざまな文法事項がすっかり混ぜ合わされた形で出題されています。

自分が先生になったつもりで、少してごわい問題を編集してみましょう。

全部で10の英文を選ぶとします。たとえば、1番は、助動詞、2番は、現在進行形、3番は、命令文、4番は、一般動詞、5番は、be動詞、というふうに、わざと遠く離れた単元に出てくる文をとなりどうしに並べます。解答も、わかるようにどこかに書いておきましょう。

何日か、または何週間かして、忘れたころに、自分で作った「手ごわい問題」を解いてみましょう。

「これはどこのジャンルからとったんだったかな」と考えながら解いていくと効果的です。

塾に通っている人の中には、「塾のテキストではたくさんマルがつくのに、テストになるとなかなかできない」という悩みを抱えている人がいます。

英語でこうしたことが起きる場合、多くは、一つ一つの問題が、文法事項の、どのジャンルに当たるのかを見分けられないことが原因になっています。

テストの問題を作る人は、「ここでは三単元のSをきちんと覚えているかを見よう」「ここでは受身形の構文をしっかり理解しているかを見よう」などと狙いを定めて出題しています。

ですから、「先生の立場になって」考えてみることは、答えを見つけるのに大変役立つのです。

塾で入試の過去問を解くとき、空所に「どんな単語を入れたらいいだろう」と考える前に、「この問題は、テキストの、どの単元がねらわれているのかな」と考えてみましょう。「あっ、一般動詞の疑問文だな」「不規則動詞がねらわれている!」などに気づくようになってくれば、バッチリです。

また、塾で過去問をやっていると、必ず、「ひっかけ問題」が出てきます。

「ひっかけ問題」にはパターンがあり、一度ひっかかっておいたほうが、あとで力になります。

塾での過去問で何点を取ったとしても、入試の当日の結果はもちろん、学校の評価に響くことも、全くありません。

塾ではぜひ、おおいにまちがって、大切なポイントを学んでいきましょう。

 

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